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noise pop

生活

不愉快に笑う

無駄なものに昔から入れ込んでいた。

 

小学校2年生の一学期、当時からかなり筋金入りの不登校児であったシノへさんと二人で「ズック袋係」というものをやることが学級会で決定した。掲示係とか黒板係といったやることが明確になっている係ならいいが、ズック袋係というのは「廊下にぶら下げてあるズック袋が落ちていたら戻す」という内容。これほど誰がやっても一緒で、無意味で、無駄で、存在意義の全くない係というのも、日本中の小学校を探しても見つからないのではないかと当時から考えていた。

 

もはやズック袋係に対して誇りも何もない。それどころか自分が一体何の係だったかも曖昧になるくらいどうでもいいものだった。シノへさんは学校に来たり来なかったりで会話も全くなかった。統制すらとれてなかった。

 

二学期になり、「ズック袋が落ちていたら気づいた人が戻せばいい」という、当然といえば当然な意見が飛び出し、ズック袋係はあっけなく消滅した。シノへさんは学校に来なくなっていた。資本主義の渦巻く教室では、無駄なものがあったら排除しようという動きになるのは当たり前だが、今思うとあの係というのは、担任の先生が、学校でも一二を争う不登校児童だったシノへさんのために用意したポストだったのではないか。「あたしはここにいていいんだ!」という居場所を与えることで、誰かに必要とされ、そして自分も何かをしてあげられる人間に…、という先生の思惑があったとしたら。そこにノコノコとやってきたミヤザキ少年。係の仕事、何にもやらない、てか仕事がない。そんな様子をクラスメートが見てたら「ぶっ潰してやる!」と思うのも当然なのであった。はわわわ…、なんてことをしてしまったんだ…。と病院で曲がった歯の治療を受けながら懺悔した。