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noise pop

生活

23.The Rebels Not In/The Halo Benders(1998)

The Rebal Not In/The Halo Benders

 

The Rebels Not In

The Rebels Not In

 

 

笑いの基本は緩急、ギャップである。いつの世界でも「変人」と呼ばれる、頭がクルクルパーな人間というものは存在するもので、そういう人間は確実に周りの輪を乱したり足を引っ張ったりするものだけど、それと引き換えに飛びぬけた何かを持っていたりする。俗に言う「バカと天才は紙一重」というやつだ。

 

アメリカにキャルヴィン・ジョンソンというおっさんがいた。彼は「K Records」というレーベルを主宰していた。おっさんの趣味全開だったため、そのレーベルには一癖も二癖もあるバンドが集まっていた。おっさん自身も、もはやアメリカアバンギャルドの頂点にいたビート・ハプニング、ダブ・ナルコティック・サウンド・システムというバカみたいな音を出すバンドをやっていた。

 

それと同時にUSインディーの至宝・Built To Spillというバンドでボーカルギターを務めるハゲのヒゲもじゃ、ダグ・マーシュ。彼は怖そうな風貌とは引き換えに繊細な声とへなったギターを弾く。

 

そんな二人のサイドプロジェクトがHalo Bendersである。

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ビルスピの真骨頂とも言える、異常に絡みまくるギターアンサンブル。そこをグッと抑えたような印象が最初はあった。だけど単純なバンドサウンドになってるのかといえば、それは違う。シンプルになってるというよりは、確実に狂気が増している。それは多分キャルヴィンの低ーい低ーいボーカルが、一層とバンドに漂っている気だるさを地の底まで落とし込んでいるから。その低音ボーカルにダグの高音ボーカルが乗っかり、一つの曲を聴いているのに二つの曲を同時再生しているような気分になる。つまり二つのメロディーを同時に聴くことができるという、狂気というよりはある種のお得感があるのだった。

 

変人のくせにバンドを見出すセンスが飛び抜けているキャルヴィンと、アレンジ能力があるのにへなちょこギターと変な風貌のダグ。この二人の「ギャップ」が、ステージ上、低音と高音で交わる。その一瞬だけ、僕らは笑うことができる。

 

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