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noise pop

生活

27.the power of failing/Mineral(1997)

the power of failing/Mineral

The Complete Collection

The Complete Collection

 

 「たとえ12月でも暑けりゃクーラーつけりゃいいんだ」と言ったのはドラえもんだった。12月、めっきり外は冷え込んで、空は暗いし重い。いくらクリスマスがどうのこうの言ったところで、そんなもんに縁がない人間というのは腐る程いるわけで。みんながみんな、ドラマのような素晴らしい恋愛や友情に関わることが出来るのかと考えると、ますます暗い気分が鬱積してくる。別にmineral自体が、そのような暗い気分を代弁してくれるバンドなのかというと、それは全く違う。そんな単純な思考とか概念すらとっぱらってしまう。

 

同時期に活躍したGet Up KidsやJimmy Eat Worldは、エモーショナルにポップを融合させることを成功させ、一気にエモを大衆化させた。しかしmineralは、エモーショナルという超絶曖昧なジャンルの創世記に現れ、大部分を築き上げてしまったバンドなのであった。とりあえずアマゾンのリンク貼ってる「The Complete Collection」は1stと2nd、そしてレア音源までついてくるお得盤なのだが、いかんせんジャケットがダサすぎる。個人的に思い入れが強いのが1stの「The Power Of Failing」なのであった。

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良いジャケ。ただの思い出になってしまうけど、大学2年の冬に仙台の某レコード屋の閉店セールで、このアナログを購入した。確か500円。馬鹿かと思った。クリスマスに全く縁がなく、何が悲しくて一人街を彷徨ってたのか分からない自分へのプレゼントだったのだ、と考えれば都合がいい。

 

mineralは大人数でバカ騒ぎしながら聴くよりも、一人で雪が降っている外の風景を眺めながら、部屋で膝抱えて聴くのがいい。沸々としてくる気分をグッと押さえ、サビまで到達するのを静かに待つ。イントロでは綺麗なアルペジオが、拙いながらも懸命に手を伸ばしている。そしてサビに入った瞬間、ハードコアに対する憧れだとか、コンプレックスだとか、そういう鬱積した全てのものを轟音で吐き出す。mineralの音楽は一つの線になっていて、緩やかな流れを身を持って体感していたと思ったら、突如としてクライマックスを迎えるのだ。下手なドラマ顔負けである。

 

全ての曲が、一体何でこんなに泣けるのか意味不明なくらいの美メロのオンパレードなのだけど、やっぱりmineralどころかエモの大名曲のM-2「Gloria」、アルバムの冒頭を飾るM-1「Five,Eight And Ten」、終盤にかけての疾走感が凄まじいM-5「80-37」、展開に胸が詰まるM-7「July」とかが特に好きだ。

 

mineralは3年という短い活動期間を経て解散。わけがわからない泣ける美メロの巨大な影響力は今も続いたままだ。しかし突然の再結成。そして奇跡の来日を来年に控えている。2月という真冬にやってくるのも、またなんとも言えない。やっぱりmineralって冬のバンドだ。「たとえ12月でも暑けりゃクーラーつけりゃいいんだ」は間違っていない。ドラえもんにも聴かせたい。

 


Mineral - Gloria - YouTube


Mineral - Five, Eight and Ten - YouTube


Mineral - July - YouTube