noise pop

生活

5.Sammy/Debut Album(1994)

Sammy/Debut Album

Debut Album

Debut Album

94年というとカート・コバーンの死と同時に「グランジは死んだ」なんて言われたり、Pavementの2ndアルバムがヒットしたり、泣き虫野郎バンドのウィーザーがデビューしたり。とにかくオルタナティブロックに関して言うといろいろと慌ただしい1年だった。この1年でたくさんのバンドが生まれ、そして死んでいったのも事実である。

このSammyもそんな死んでいったバンドのひとつだったのかもしれない。
87年にルークとジェシィーという若者が大学で出会い、前身である「Worry Things」というバンドを結成したことから始まる。あのリチャード・ヘルをプロデューサーに迎え音源を録ったり(結局お蔵入りになったらしい)、リチャード・ヘルバンドのメンバーとして来日したりと、地味にすごい経歴持っていたりする。その後バンドの解散やら慌ただしい波に呑まれ、紆余曲折の末、ドラマーにコーンという人物を迎え93年にSammyを結成する。

Sonic Youthのドラマー、スティーブ・シェリーの自主レーベル「Smells Like Records」から出したのがこのアルバム。その名も「Debut Album」である。そのまんまやないか。逆にその真っ直ぐさに涙が出そうになる。

音はモロにPavementの1stに影響を受けている。ジャケットも「Slanted And Enchanted」と同じ系譜の上に成り立っているようなデザインである。なんというか独特の気味悪さがあるのだ。こんな変な食い物絶対に口に入れたくない。

おそらく当時掃いて捨てるほどいたであろうPavementフォロワーの一つに過ぎないバンドだったが、Pavementほどひねくれておらず、例えるならばPavementはライブで共演者に挨拶もせずにステージもやる気なさそうにやって帰りそうな印象だが、Sammyはステージ上ではやる気なくても舞台裏では「今日は宜しくお願いします」なんて言ってそうな感じなのだ(なんというわかりにくい例えなのだろう)。

個人的にはローファイ一直線というより、グランジの成分も入っており、どこにも属さないような不思議な印象も与えられる。そんなグランジの産み落とした卵でもなく、ローファイの申し子でもなかった彼らはこのあと2ndを一枚出して解散するのだった。メロディーめちゃくちゃ良いんだからもうちょっと頑張れば良かったのに。