noise pop

生活

10.Luna/Lunapark(1992)

Luna/Lunapark

Lunapark

Lunapark

87年に結成して91年に解散し、短い活動期間で後のドリームポップであるとかインディーロック界隈に影響を与えたバンド「Galaxie500」。ハーバード大学から始まった彼らは、細いボーカルとリヴァーブのかかったギターに乗って、世界中の人々の心にグッと来る演奏を届けたのです。

そしてメンバーのディーンが脱退することで突然終止符が打たれる。ディーン以外のデーモンとナオミは、デーモン&ナオミという捻りもなにもないバンドを結成。要するにバンド自体が分裂してしまったというわけである。そしてディーンが新しく作り上げたバンドがこの「Luna」ということになる。このLunaparkは記念すべき1stで、どうしてもGalaxie500と比べられるが、そんなもんどうでも良くなってしまうくらい良い、これは良い。

まず1曲目の「Slide」のクラクラとしてしまいそうなギターの音とウネウネしているベースにやられる。ギャラクシー時代よりも丁寧に作られ、そして熟成されまくったバンドサウンド。ギャラクシーが青春期に捧げるか細いギターポップだとしたら、Lunaは青春期を過ぎた大人たちが鳴らす枯れたギターロックなような気がする。しかしその「枯れ」というのは後ろ向きなものではなくて、大人になったという「成長」である。ギャラクシー時代には(知らないが)やりたくてもできなかったであろう軽快なテンポの曲も増えているところにそれが感じられる。

とは言ってもこの1stは、他のどのバンドにもある青臭さや軽い衝動のようなものもある(すごく嫌いな言葉なんですが)。少年から大人の階段を昇ってるような初々しさ。実際この後のLunaはどんどん音も洗練されて、心地いいギターロックへと昇華していく。僕は少年少女が不安定な旋律で鳴らす音楽がものすごく好きなんですが、Lunaの「成長」とか「成熟」は、安定してつまらなくなっていくのではなく、聴き手側の心を踊らせるような進化したサウンドだからずーっと聴いていられる。

大人になるってことはなにも老いるってことだけじゃないんだぜ。