noise pop

生活

傘がない

こないだ佐藤君の家に行ったらトレインスポッティングのDVDがあって、頭から観てたら当たり前だけどLust For Lifeのドンタンドンタンというドラムが流れてきてちょっとテンションが上がった。途中にレントンとシックボーイが昼下がりの公園で空気銃で人を狙撃するシーンがあるのだけど、このシーンで空耳が聞けるというのを思い出した。

「ほら、ここ。『助けてお母さ〜ん』って聞こえるでしょ?」

「…ああ、言われてみれば」

「もう一回見ようぜ。巻き戻し巻き戻し」

「…」

「がははははは」

何も残らない下品な笑い声が夜の静寂を切り裂いた。
帰路。地下鉄の終電を気にしながら、少し足早で駅へ向かう。去年買ったサンダルのせいで上手く歩けない。佐藤君にされた頼まれ事を考える。まさかあんなお願いされるとは思ってなかったので、歩くスピードもどんどん速くなる。終電の5分くらい前にホームに到着した。相変わらず時間の使い方が下手くそである。

病的なまでの時間調整の下手くそさ。余裕を持って行動しないと何もしたくなくなる。他の人たちは秒刻みのスケジュールとにらめっこしながら、他の用事や出来事とうまーく折り合いをつけて生きているのだろうか。素晴らしい。別に時間という概念だけに囚われたことではないけど、昔から何かをやり始めるのが、遅い。例えばブームというものに対して、完全に後追いタイプだ。中学校のときに社会の地図帳みたいなものを見てたら「エロマンガ島」という、いかにも何にも考えてなさそうな男子が好んで使いそうなワードが目に入り「見てこれ、これ。『エロマンガ島』だって。マジでヤバイよね。『エロマンガ島』って。がはは」と近くにいたクラスメートに見せびらかしたら「えっ、こいつマジで言ってんのか」みたいな目をされて「まあ俺は小六で卒業したけど、そういう類のものとは」というようなことを言われた。