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noise pop

生活

僕らは位置について横一列でスタート切って

金曜日。仕事終わりに歯医者に行く。スーパーボンドというネーミングセンスが小学生並みの接着剤を取られる。ガリガリと削り取られる。ここまでしたんだからこれでくっ付いてなかったら諦めな、という前置きをされ、ガリガリと削り取られる。ていうか明らかに「これ、くっついてないでしょ」という感触の歯が一本だけあって、案の定くっついてなかった。祈る気持ち、儚く散る。まだ25歳なのに、健康体なのに、ただ平凡に暮らしたいだけなのに。歯を抜くことになってしまった。記憶が一気にフラッシュバックしてあの日のことを思い出す。僕の家の近所にはファミリーマートが二軒あって、いつも行くファミマではなく、なんとなく違う方のファミマに行った帰りに、車に轢かれた。誰を恨めばいいのか。たくさん居すぎて分からねえ。

絶望の淵に立たされながらその後プリマドンナのライブをした。あっという間に終わった。終わって通路でタバコを吸ってると、横にあるライブハウス(僕がライブをやった場所の姉妹店みたいなところ)で違うライブに出ていた人から、何故か一緒に写真撮ってくださいと言われて困惑する。「本当に僕ですか?」と5回くらい聞いたけど、なんだか釈然としない気持ちでフレームに収まる。ふらふらした足取りを見て「酔ってるな」というのはすぐに想像がついたので、あんまり相手にしないようにする。にも拘らず「なんてバンドやってるんですか?」「有名なんですか?」「チケット代高いですけどノルマとかどうなんですか?」という前田日明だったら即ボコボコにしてるであろう質問ばかりぶつけてくるのでますます暗い気持ちになる。こいつどんなバンドやってるかも知らないのに写真撮ってくれとか言ってたのかよ…と凹む。何故僕はこう頭がおかしい人間に絡まれやすいんだろう。電車に乗れば頭ががおかしそうな人間から、まるで友達でも見つけたような視線を送られる。最近では車に轢かれるわ、歯を抜くことが9割5分確定するわ、しまいには今目の前にいる自称「売れないシンガーソングライター」から馬鹿にされたような質問をされるわ。ライブハウスで酒飲めば一件落着!みたいな短絡的且つ腐ったミカンのような思想の持ち主は全員死んでほしいと思った。(動画閲覧注意)


前田日明 - YouTube

 土曜日。イービンズのレコ市でドリーム・アカデミーのLPとか購入。関本くんと飲みに行く。あらためて僕は何も考えずに今まで生きてきたのだな、ということを再確認する。馬鹿が露呈するほど怖いことはない。桃さんが働いている姿を初めて見た。メンバーに「シャンディ・ガフください」と言うのはなんだか笑ってしまう。その後、ヒラケンと翼くんに呼び出しを食らう。一人で500メートル程のこのこ移動して飲む。終電はとっくにない。歩いて帰ることが確定しているので、気分が大きくなる。ブラジル人みたいな店員がいて二人から「あの人、めっちゃギター上手そうじゃね?」って言われて笑った。深夜3時に無事帰宅。泥になる。明日のライブを行くことにする。

日曜日。粗大ごみにするベットを解体しようと思ったけど、また全てが面倒になってしまったのでそのベットで寝る。昼過ぎに出かける決心がついて、CDを売りに行く。20枚ほど売って6000円になった。去年、僕が仕事を辞めた日に発売されて近所に買いに行った銀杏BOYZのアルバム2枚も売った。今の自分には必要ない音楽だと思ったのだ。2000円だった。そのまま出ようと思ったら探してたThe UnicornsとThe Castleのアルバムがあったので買ってしまった。引っ越しの荷物がまた増えた。


The Unicorns - I Was Born A Unicorn - YouTube

ライブを見に行った。ソンソン弁当箱を一番前で見た。途中から翼くんがステージに上がってギターを弾いていた。彼がギター弾いてるのを見るのは2009年以来だった。その時は「こいつめっちゃ怖そう」と思っていたけど、僕の家にやって来るようになってからは、ケツを揉まれたり全裸になることを強制されたり(それをノリノリでやる僕にも相当問題がある)、他にもあまりに酷過ぎてここでは書けないことばかりをされたので別の意味で怖い奴だと思った。それに加えてヒラケンもギター弾いてるので、それを見てたら本当におかしくて笑いそうだった。こいつらはいつも家にやって来ては、酒を飲むだけ飲み、次の日、のど自慢や王様のブランチを見てグダグダして、夕方くらいになったら重い腰をあげて帰っていく。頭がおかしい。ライブは本当に笑ってしまった。今日からまたバンドやるらしい。いい歳して何やってんだよ、と少しだけ思ってまた笑った。