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noise pop

生活

風の強い日

「自転車、ぶっ倒れてるよ」

「誰のですか」

「いや、君の」

先日、全てのやる気を削ぐような強風が朝から吹いていて、ああこれは駄目なやつだと思い、仕事を休もうかどうか真剣に悩んでいた。中学一年の時、朝から吹く5月の強風を見て「災害が発生した時は無理せずに休みましょう」という入学案内を思い出し、それを馬鹿のような純真さで信じた。近所に住んでたYから電話がかかってきた。「見た?外」「見たよ」「行く?」「行かねえよ、この風」「だよな」「てか誰も行かねえだろ」という簡素なやり取りをして、茶の間でゲームボーイアドバンスをしていた。10時頃、担任から電話がかかって来て「なぜ君は学校に来ないのか」と詰問され、なんだか急に嫌な予感が漂い始め、嫌々ながら強風の中学校に行った。晴れていた。風も弱まっていて、その穏やかな気候が妙に怖かったことを覚えている。教室を開けると、僕以外のクラスメートが普通に国語の授業を受けていた。担任は国語教師だった。「なんだ?お前の家の近くだけ風が強かったのか?」「ああ、はい」、クラス中が笑いに包まれた。この時僕は、風が強いってだけじゃ休む理由にならないんだな、ということを知る。13歳の春にしてようやく。ちなみに僕はその後、中二、中三と皆勤賞を取る。死ぬほどどうでもいい。

というわけで25歳の僕も会社に行くことにして、いつも通り仕事をしていたら、自転車がぶっ倒れていて、その上ベルの部分が完膚なきまでに粉砕されていた。買って2ヶ月で籠は両サイドが凹み、タイヤは三か所パンクし、そして元々乗り心地が最悪だった。なんて悲惨な運命を辿っているんだろう…。俺の自転車。

ちなみにこの記事で投稿が300個目らしい。なんだろう、気持ち悪い。